ケンブリッジ大学の専門家チームが、人類の体と脳がここ1万年で縮んでいると発表した。人類はサイズから見た成長のピークを狩猟採集時代に迎え、体も脳も小さくなっているという。
アフリカ、ヨーロッパ、アジア大陸で見つかった化石の研究により、「縮小」はここ1万年に見られる変化ということがわかった。1万年前の平均的なヒト(男性)の推定体重から見て、現代人は10%ほど小さくなっていたのだ。脳容量を見ると、現代人が平均1350ccなのに対し2万年前の男性は平均1500ccだったことが判明。テニスボール約1個分の減少である。女性もほぼ同率で小さくなっている。一体この間に人類に何が起きたのか?
専門家らは、約1万年前に人類に起きた変化に着目。農耕文化、集落化による食糧の変化が人類の矮小化の原因だと指摘している。
我々の祖先は今から約9千年前に、狩猟・採集から農耕・牧畜へと劇的に生活様式を変化させた。農耕文化は食物の量を豊かにはしたが、種類を狭め、ビタミンとミネラルの摂取量の減少が体格の増大に歯止めをかけたと考えられる。例えば農耕文化初期に中国で耕作されていたソバや米、トウモロコシなどの穀類では、成長に不可欠なナイアシンを摂取できない。
では脳はどうか。農耕文化の発展では、脳容量の減少は説明できない。人類進化学博士マルタ・ラー氏は、「脳容量の減少は知能の低下に直結しません。コンピューターが小型化しエネルギー効率を上げるように、進化の過程で効率の良い脳の活用が可能になったのでしょう」と説明する。
ケンブリッジ大学のロバート・フォレー人類進化学教授は、「ヒトの進化は体格やサイズを常に変えながらの連続的・段階的な過程」と言っている。今から1万年後、10万年後――我々はどう進化していくのか、想像してみるのもおもしろい。
参照元:DailyMail(英文)

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オリジナル記事: 人間の体と脳は小さくなっている!
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